モンスター研究 【3】モンスターハンター

モンスターハンターポータブル 3rd攻略GEMANI

雷狼竜が帯電する理由

 こんにちは、表ガンキンです。
 
 今までの僕の記事を読み返してみると、装備に関するもの、特定のクエスト攻略など、
 ほとんどがガチの記事(真面目に書いた記事)ばかりでした。
 
 そこで今回はちょっと息抜きにあるモンスターの小話、
 というよりかは進化論的なものを話そうと思います。
 
 そのあるモンスターとは、雷狼竜ジンオウガです。
 言うまでもなく、今作のメインモンスターであります。
 
 公式に発表されている現在のジンオウガの生態をまとめると以下の通り。
 
牙竜種に分類される、肉食性のモンスターである。

以前は渓流の人里離れた奥地、つまり霊峰及びその周辺地域を縄張りとしていたが、 古龍アマツマガツチの襲来により生息地を追われ、ユクモ村付近の地域に住むようになって 村の住民にその存在を知られるようになった。

自身に纏っている無数の雷光虫の放電能力を借りて自身を帯電させる能力を持ち、 「超帯電状態」になることができる。

雷光虫とは相利共生の関係にあり、雷光虫は天敵のガーグァから身を 守るため、ジンオウガは帯電時に雷光虫の放電能力を借りるため、とされる。

 やはり特筆すべき特徴といえば、自分の体に無数の雷光虫を纏わせ、
 それらが放電することで自らが帯電して「超帯電状態」になることで
 自分がもつそれ以上の力を発揮するというもの。
 
 しかし、疑問に感じたことはありませんか?
 
 ジンオウガはなぜ帯電するのか、という。
 
 狩りのため?

 ここで言う狩りとは獲物を確保するということです。
 しかしジンオウガは超帯電状態の時でなくても通常の状態、さらには
 疲労状態の時でもガーグァやアブトノスをいとも簡単に狩って捕食しています。
 それにこれらは明らかに自分より弱いモンスター。
 そんなモンスターを狩るためにわざわざ帯電する必要があるとは思えません。
 つまり狩りのために帯電するとは考えられないのです。
 
 じゃあ縄張り争いなどにおける敵との戦いのため?
 このための可能性が高いと思われます。
 しかしジンオウガは自身の帯電能力の他にも、尋常ならざる力を持つまでに
 発達した前脚、体長の3分の1以上はある幅が広い尻尾、それらを巧みに使いこなす
 身体能力を持っています。
 敵の存在になりえるのは当然渓流に生息する大型モンスター。
 リオレイアやナルガクルガ、金銀夫婦及びドボルベルクが挙げられますが、
 仮にジンオウガに帯電能力がなかったとしてもその前脚と尻尾、身体能力さえあれば
 これらの敵にも十分対抗することができると考えられませんか?
 つまり現在はそのために帯電能力を持っているとしても、そのためだけに
 最初から持っていた、とも考えにくいのです。
 
 つまりジンオウガは現在の姿に至るまでの進化の過程の一つで帯電能力を 取得した、
と考えられるのです。
 
 そこで私、ジンオウガが霊峰とその付近を縄張りにしていた頃から
 現在の姿になるまでの進化の過程を自分なりに想像してみました!
 今からそれを書きたいと思います。

一、霊峰とその周辺を縄張りにしていた頃

 先程、ジンオウガが進化の過程で帯電能力を身につけた、と書きました。
 ここまで書けば何が言いたいか、もう分かりますよね?
 つまり、霊峰を縄張りにしていた頃、
 
 ジンオウガは帯電能力を持っていなかった
 
 と考えられるのです。
 さらにその体も現在程の大きさはなく、渓流のモンスターで比べるなら
 アオアシラと同じくらいかそれよりちょっと大きいくらいかだったと
 考えられます。
 さらに現在程前脚と尻尾も発達してはおらず(他の部分と比べれば少し発達していたが)、
 身体能力も現在程はなかったと思われます。
 何が言いたいかというとこの頃のジンオウガは現在と比べると、
 大自然における生存競争に勝つ力、いわゆる生き残る力が少なかったと
 考えられるのです。
 おそらくこれもアオアシラやクルペッコと同じくらいのレベルだったのでしょう。
 
 これらはあくまで僕が考えた仮説ですが、こう考えると
 ジンオウガが人里離れた霊峰を縄張りとしている理由が説明できるのです。
 
 まずこのゲームをプレイしていれば分かると思いますが、アマツマガツチ以外の
 モンスターが霊峰及びその周辺で目撃されたという報告は一度もありませんよね?
 つまり上で挙げたような渓流の大型モンスターは
 ユクモ村付近の渓流の地域を縄張りとし、霊峰は縄張りとしていないと考えられます。
 仮にジンオウガが前者に縄張りを置くと、これらのモンスターと縄張り争いが
 起こるのは目に見えています。
 生存競争力が弱いジンオウガがこの縄張り争いに勝てると思いますか?
 だからジンオウガは後者、つまり霊峰及びその周辺を縄張りとしているのです。
 ここなら縄張り争いをする必要もないし、そのため帯電能力も必要ありません。
 
 また人里離れた奥地ともなるとガーグァなどの生息数も少なくなるでしょう。
 ケルビやブルファンゴなどにも同じことが言えると考えられます。
 つまり霊峰及びその周辺にはジンオウガの獲物となり得るモンスターは少ないのです。
 仮にこの時のジンオウガの大きさが現在と同じだったとすると、このような環境で
 その大きさを維持するのに十分な獲物を確保するのは難しいと思いませんか?
 だからその体の大きさは現在より小さかったと考えたんです。
 
 この時のジンオウガは少ない数のガーグァやケルビ、ブルファンゴを見つけた
 時はすかさず捕まえて捕食するのはもちろん、見つからない時は川を泳ぐ魚や
 昆虫類、ときには動物の死肉をあさることもあったかもしれません。
 
 またその姿は現在よりも小さく、帯電能力も持たないため蓄電殻(ジンオウガの
 黄土色の部分の殻)も持ってはおらず、おそらく少し発達した体や尻尾(おそらく
 数少ないガーグァやケルビ、ブルファンゴを確実に仕留めるもの)を持つ体を青い
 甲殻が覆い、さらにその大部分を薄い灰色の毛が覆っているという姿だったのでしょう。
 
 これが霊峰を縄張りとしていた頃のジンオウガの姿及び生態だったのです。
 そんなジンオウガが住む霊峰に、嵐龍アマツマガツチが襲来した・・・
 
 アマツマガツチの力によってその名に違わぬ嵐のような暴風雨が続き、霊峰
 の環境は一変しました。
 ほとんどの生物が逃げていき、獲物の確保がさらに困難になったジンオウガ。
 そして自分をはるかに凌ぐ大きさと力を持つ嵐龍を前にして、
 自分だけではもちろん、自分達の仲間が束になって戦いを挑んでも
 こいつにはかなわない、ということを本能的に理解したんでしょう。
 
 こうしてジンオウガは自分達の縄張りだった霊峰を捨て、
 ユクモ村の渓流付近に逃げて来ざるを得なくなってしまったのです。

二、ユクモ村付近の渓流での生活

 アマツマガツチからなんとか逃げ延び、ユクモ村付近の渓流での生活を余儀なく
 されたジンオウガ。
 でもそこには以前自分たちが住んでいた霊峰より多くのガーグァやケルビ、ブルファンゴが
 生息していました。
 恐らく獲物を見つけるのは以前ほど苦労しなかったでしょう。
 しかし現実は甘くはなかった・・・。
 
 そこにはジンオウガの生存競走の相手となるモンスター
 がたくさん生息している場所。
 同じ獲物を食糧とするリオレイアやナルガクルガ、そして金レイアや銀レウス・・・。
 縄張り争いともなるとそこにドボルベルクも加わりました。
 アマツマガツチ程ではなくても明らかに自分より強いものたちが
 生存競争相手として立ちはだかったのです。
 
 縄張り争いになってもリオレイアや金レイアの火炎や毒、銀レウスの空中からの急襲、
 ナルガクルガの素早い動きを前になすすべもなく倒れ、
 ある個体はドボルベルクの巨体につぶされ・・・
 
 獲物を狩っても横取りされることもしばしば。
 もしかしたら逆にリオレイアやナルガクルガ、金銀夫婦に獲物として
 捕食されてしまう個体もいたかもしれません。
 
 こうして渓流のジンオウガの個体数は激減していってしまったのです。
 
 ここまで読んで、帯電能力を身につける前のこのジンオウガの存在がユクモ村の住民に
 知られることはなかったのかという疑問が出てくるかもしれません。
 しかし、彼らは上に書いた厳しすぎる環境の中で、個体数が激減しています。
 そんな希少種に近い存在になったモンスターがユクモ村の住民に目撃される確率は
 かなり低いと思いませんか?
 仮に目撃されたとしても、個体数がかなり少なくなっているが故にその存在を信じない
 住民が多く、広く知られることはなかったのでしょう。
 後にユクモ村の安全を脅かす存在になるとも知らないで・・・。

三、帯電能力を身につけるまで

 渓流の過酷すぎる環境を前に激減していったジンオウガ。
 一時は絶滅寸前まで追い込まれたのかもしれません。
 
 絶滅を覚悟した個体もいたでしょう。
 しかし中には生存をあきらめない個体がいたのです。
 
 このままでは俺達の種族が絶滅してしまう。
 この環境に適応する方法はないのか。
 生存競争相手としてヤツらに勝つ方法はないのか?
 
 そう考えていたのです。
 
 そんなある日その個体がドボルベルクを発見しました。
 向こうはこちらには気づいていません。
 気づかれないように様子を見ていると、その横から複数の光る球にも見える虫
 が出てきました。
 そしてなんと、ドボルベルクがその虫たちを避けるようなそぶりを見せたでは
 ありませんか!
 そして同じような現象がナルガクルガでも・・・!
 
 それが雷光虫だったのです。
 
 渓流に生息する大型モンスター、ナルガクルガ、ドボルベルク、
 そして金レイア、銀レウス。
 これらのモンスターに共通していることがありませんか?
 そう、雷属性が弱点となっています。
 (リオレイアにも上の4種類程ではありませんが雷属性は効果があります。)
 
 自分が苦手とする属性は当然自分自身も体感的に知っているはず。
 上のモンスターも例外ではありません。
 雷属性を嫌うということは当然、放電する雷光虫も嫌うはずです。
 しかも、ゲームにある情報誌のジンオウガについての部分を読んでみると、
 雷光虫は近づいてくる者に対して放電して襲いかかる(怖ッ!)という性質が
 あるそうです。
 となると、上のような現象が見られてもおかしくないと思いませんか?
 
 その光る虫が雷光虫であることを
 恐らく知る由もなかったそのジンオウガはこう考えたのです。
 
あの光る虫を集めて体中に纏えばヤツらもこちらに近づかなくなるでは・・・?
 
 と。
 そしてそのジンオウガは光る虫、つまり雷光虫を集め始めました。
 しかしそう簡単にはうまくいきません。
 最初の内は集めても逃げていく・・の繰り返しだったのでしょう。
 雷光虫にとってはジンオウガに集まることに何も利益がないのですから。
 しかしジンオウガにとってはこの環境で生き残るために見出した唯一の手段。
 決してあきらめはしなかったでしょう。
 
 そんな時こんな光景に出くわしたのです。
 
 草むらの間を飛んで逃げる雷光虫。
 そしてそれを追いかけるガーグァ。
 ガーグァはそれを捕まえると放電に全く動じず食べてしまった・・・。
 この光景を見たジンオウガはひらめいたのです。
 
 ガーグァを片っ端から襲って食べればあの光る虫も自然と自分に集まってくるのでは・・・?
 
 それからというもののそのジンオウガは獲物をガーグァのみに絞り、ひたすら襲いました。
 恐らく横取りされてもあまり気にはしなかったでしょう。
 この時のジンオウガの目的はガーグァを捕食することではなかったのだから。
 そしてそのジンオウガの様子を以前から見ていた別の仲間も真似し始めたのです。
 
 毎日のようにガーグァを襲うジンオウガを見て雷光虫達はこう考えたのです。
 
 あの白毛の青い狼は自分たちの天敵を捕食する、自分たちにとって有益な存在。
 だからあの狼と一緒に暮らせば天敵に捕食される危険がなくなる。
 
 まさにジンオウガの思惑通りに。
 
 こうして自分の体に雷光虫を纏うことに成功し、雷光虫は天敵のガーグァから
 身を守るため、ジンオウガは他の生存競走の相手がたくさんいる厳しい環境の中で
 生き残るためという相利共生の関係が誕生したのです。
 
 そうこの時点では帯電するため、ではなかったのです。
 なぜなら自分の身に纏っている光る虫が放電するということをジンオウガはまだ
 知らなかったのですから。
 
 こうしてジンオウガはここから個体数を少しずつ増やし始めました。
 しかしこの時点では雷光虫を纏っている、ただそれだけの存在。
 ジンオウガ自身の能力は変化していません。
 それにリオレイアや金銀夫婦など、遠距離武器を持つ相手だとどうしようもありません。
 恐らく以前程ではありませんでしたが、他の生存競争相手の力を前に倒れる個体は
 まだまだ存在したかもしれません。
 
 しかしジンオウガのほうも自分が纏っている光る虫が放電するという事実に
 いつまでたっても気づかないわけがありません。
 
 恐らく雷光虫を纏い始めたその後自分の体が電気を帯びていることに気づいた
 時があったのでしょう。
 最初は戸惑ったかもしれませんが、この電気が、自分が纏っている光る虫による
 ものだとすぐに気付いたジンオウガは
 全てを理解したのです。
 
 なぜナルガクルガやドボルベルクがこの虫を嫌うのか?
 それは放電するから、つまり電気が苦手だから。
 なぜその放電する虫をガーグァは簡単に食べてしまうのか?
 それは嘴が電気に強い物質でできているから。
 おそらくガーグァの体自体も電気に耐性があるのだろう。
 (じゃないと雷光虫の放電攻撃でガーグァが感電してしまう)
 
 そして電気を帯びている自分はなぜ感電しないのか?
 それはガーグァを捕食し続けたことによって電気に耐性のある物質が
 体中に蓄積したから。
 
 そしてジンオウガは下のように考えたのです。
 
 この電気、自身の武器にできるのではないか?
 今は自分の体が小さくて少ししか電気を帯びれないが、
 今まで以上にガーグァを捕食して自身をより電気に強くすると同時に
 自身の体を大きくすればより大きな力が出せるし、何より体の表面積が
 増えるから纏える雷光虫の数も多くなる。
 
 そうやって帯びる電気の量をさらに増やせば発揮する自身の力もあって
 強力な武器になり、ヤツらと同等、いやそれ以上に強い存在になることが
 できるんじゃないか・・・・??!!
 
 こうしてジンオウガは今まで以上の数のガーグァを捕食して
 今まで以上に電気に対する耐性を持ち、それと同時に自身の体も現在と
 同じ大きさになりました。
 ガーグァの嘴の部分など特に電気に強い部分は黄土色の蓄電殻となって
 体の表面に線状になって現れました。
 さらに体が大きくなったことでもともと少し発達していた前脚と尻尾は
 さらに大きくなり、現在のような凄まじい力を発揮できるようになりました。
 そしてより多くのガーグァを捕食して大きくなったことにより、
 自身に集まる雷光虫の数もさらに多くなり、
 大量の電気を体に帯びることが可能になりました。
 現在のジンオウガが持つ様々な技を考えたのもこの時でしょう。
 帯びる電気の量には限界があり、その限界まで帯電した状態が
 後に「超帯電状態」と呼ばれる状態なのでしょう。
 
 こうしてジンオウガは現在の姿に進化を遂げ、雷狼竜の異名を持つようになったのです。
 
 また雷光虫との相利共生の関係もこの時に変化し、
 「雷光虫は天敵のガーグァから身を守るため、ジンオウガは帯電して
 さらなる力を発揮することによって
 
 電気を苦手とする渓流の生存競争の相手に勝つため」
 
 という形に変化を遂げたのです。
 
 まとめると、ジンオウガが帯電する理由、それは

 アマツマガツチから逃げてきてたどり着いた渓流という、生存競争相手が多く生息する
 過酷な環境の中で生き延びるために身につけた能力

 
 だったのです。
 
 恐らく進化したジンオウガと対峙したモンスターは驚いたことでしょう。
 自分の嫌いな雷光虫の塊を変な軌道で飛ばしてくるわ、
 放電して全身の毛が逆立ったかと思えば帯電した前脚や尻尾を
 今まで見たことない力でたたきつけてくるわ、
 散々な目にあわされたことでしょう。
 
 もしかすると進化を遂げたジンオウガはアマツマガツチを撃退し、自分たちの
 元の縄張りを取り戻すことも考えていたのかもしれません。
 現にオープニングムービーでアマツマガツチに向かって吠えていますし。
 後にアマツマガツチはハンターによって倒されてしまいますが。
 
 しかしここまで考えてもまだ一つ謎が残ります。
 
 ジンオウガは孤島にも生息していますよね?
 
 恐らく渓流での進化を遂げたあと、個体数を増やして生息域を広げた結果と
 考えられますが、孤島にはガーグァは生息していません。
 自分の天敵であるガーグァが存在しないことを雷光虫が知ってしまえば
 ジンオウガとの相利共生の関係が崩れてしまいます。
 なのに孤島のジンオウガはこの関係を継続させています。
 
 じゃあ孤島のジンオウガはどうやって雷光虫との相利共生の関係を
 成り立たせているのか?
 雷光虫は一体何者からジンオウガに身を守ってもらっているのか?
 
 孤島でジンオウガに捕食されるアブトノスか?
 僕は最初それを考えました。
 アブトノスは草を食べるから、雷光虫にとってアブトノスは自分達の住みかである
 草を奪う有害な存在、と考えたのです。
 ですが、孤島の雷光虫は草の周りを住みかとしている個体が少ないし、
 それに孤島は渓流と比べて草木の数が少ないです。
 (水辺や岩肌の方が多い)
 
 じゃあ孤島における雷光虫の天敵とは一体・・・?
 
 それとも雷光虫も所詮は昆虫。
 孤島に天敵はいないことに気づかないだけなのか・・・。
 
 
 今回のこの記事はゲームに登場する素材の説明文や情報誌、
 公式発表されているジンオウガの生態をもとに書いたものです。
 
 去年にはジンオウガのフィギュア付きの生態図鑑が発売されていますが、
 それに載っている事と食い違う部分があるかもしれません。
 ここで書いたことはあくまで僕の想像ですから。
 
 以上、表ガンキンによる、ジンオウガの進化論の話でした~。
 (↑長すぎるだろ)
 次回はガチの記事を書きたいと思います。
 
 ではまた!